ほっとちょこれーと *【完】
「ありがとね」
サッカー部での打ち上げの後
真っ暗ななか
颯斗と2人で並んで歩く。
「その……話って何?」
「あのね 俺」
立ち止まる。
「都築と別れた」
「………え?」
なんで?
「わかったんだ」
「な……何が?」
「心結じゃなきゃダメだって」
「………。」
えー?!
「好きだよ」
「……颯斗」
「忘れようとして都築と付き合ったけどダメだったんだ」
今のあたしに
颯斗の言葉は苦しすぎる。
「心結が好き」
「………。」
あたしの中でいろんな気持ちが交錯する。
颯斗がまだ好きでいてくれた安心感
揺れてる自分がいる罪悪感
……罪悪感?
あぁ やっぱり翼に対してなんだ。
「やっぱりだめかー」
ずっと黙っていると颯斗がしゃがみ込む。
「困らせてごめんね?お前には俺じゃないんだもんな」
「………ごめん」
「俺ね 県外の大学に行くんだ」
しゃがみ込んだまま言う颯斗
「藍田先生と唯菜さんの後輩になる」
「………え?!」
それって
あたしと同じ大学だ……