ほっとちょこれーと *【完】


「…………。」


知らなかった。

みんなも知ってる様子なんてなかった。


自分も県外なのに

あたしにここまでしてくれたの?


みんなからの寄せ書きのある花束をキュッと握りしめる。




「心結がきっかけ」

「……え?」




「゙颯斗は将来、教師になったほうがいいよ"」



あ……




「お前が言ったんだろ?」

「……うん」

「試験会場で心結のこと見たよ」


だから知ってたんだ。



「武宮から相談受けて 進学決めたってわかった」

「……黙っててごめん」


「お前の前だけではカッコ良くいたかったんだけどなぁ」



颯斗が頭をグシャってする。



「こんな告白みっともねーな」

「颯斗はかっこいいよ」




じゅうぶんかっこいい。

あたしには眩しすぎるくらい……



「お前の1番になりたかった」

「………うん」

「でも まだ引けない」

「え?」



「ヒーローじゃなくてもいいからさ」



颯斗は続ける。



「これからも心結のそばにいてもいい?」



答えなんて決まってる。



「………うんっ」



ごめんね 颯斗


好きでいてくれてありがとう。


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