年上女ですが…それが何か???





私に組み伏せられていたコータ君が、よいしょと体を起こす。






それにつられて、再び私もソファーに座るような形になったんだけど。






さっきと違うのは、私を抱きしめるように回されたコータ君の手が、優しく背中を摩ってくれてること。






まるでそう、幼い子にするみたいに。






「落ち着いた……?」






しばらくして私が鼻を啜ると、そう言ってコータ君は下から顔を覗いてきた。






その向けられた瞳があまりにも優しくて、私の心臓が性懲りもなくまたドクンと音を立てる。






「ん…、大丈夫だから、教えて欲しい……」






今さらだけど、この状況が恥ずかしくなってゆっくり体を離しながら言うと、






「わかった。でもその前にコーヒーいれるね」






俯く私の頭をひと撫でして、コータ君はキッチンへと向かった。






その離れていく背中が今まで以上に大きく見えて。






大人の余裕だとか、





歳の差だとか、





年下に対するわだかまりとか、





出会ってからの時間の短さとか、






そんなことが全てちっぽけなモノのように思えた。







ああ、私……





ホントにこの人が好きなんだな……






「お待たせ……」







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