年上女ですが…それが何か???






「……えっと……湧高生?」





だーーー!!!






「そんなの知ってるわよっ!!」






ごまかすようにテヘッと笑った顔を左右に揺らしてやると、コータ君は身をよじって逃げようとした。






「逃がすか…!」






それを馬乗りになって押さえ込むと、






「明さんのエッチー」






下から上目使いで見上げるコータ君が口端を上げて私の肩を押さえる。






「はぐらかさないでよ」



「はぐらかしてない。ホントのことじゃん」



「それはそうだけど……絶対、何か隠してるでしょ……?
私って、そんなに信用ない?」






そりゃ、コータ君より8年も長く生きてるわけだから、人生の酸いも甘いも、ズル賢さも覚えちゃってるけどさ……






ここまできて、やっぱり歳の差が立ちはだかるの……?






「年上の私には……話せない?」





言ってるうちに、感極まって鼻の奥がツーンと痛くなってきた。






ヤだな……
泣く、なんて性悪女の常套手段だって思ってたのに……






最近色々気持ちの変化が激し過ぎて、ちょっと情緒不安定になっているのかもしれない。






意に反してじわじわと瞼に溜まる水分が見られるのが嫌で、私から顔を反らすと、コータ君の長い指がすっと頬に触れた感触がした。






「違う、違うから泣かないで……?」



「……っ…、じゃあ、教えてよ……」








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