年上女ですが…それが何か???
「今空き時間だから車まで送ってやるよ」
「ははっ、そりゃどうも」
あごヒゲを薄っすらたくわえて、この無駄に男の色香を漂わせてる美術教師は、私が高2の時に新任で赴任した先生で、副担任としてお世話になった3年の時は、進路のことで私が散々悩ませた張本人でもある。
「お前、マジでモデル辞めたのか?」
私が押すべき台車を片手で器用に操りながら、心配そうに半歩後ろに続く私を振り返る恭ちゃん。
相変わらずフェミニストなんだから。
「ああ、うん。1ヶ月くらい前にね」
私が笑って答えると、
「そっか、そっか、あんなに悩んで決めた道だもんな。10年も頑張ったなら上等だ」
安心したように静かに微笑んだ。
その顔が昔以上に魅力たっぷりで、男性モデルを見慣れてるはずの私が思わず赤面してしまった。
………ったく、教師のくせに色気あり過ぎだっつうの。
昔っから女子生徒に大人気だった恭ちゃんは、今も変わらずこうして女子生徒のハートをわし掴みしてるんだろうと想像できるほど、イイ男だと認めざるを得ない。
確か、私より6歳上だったっけ……?
ってことは、今年32……?
まったく歳を感じさせない恭ちゃんの明るいブラウンの髪を見ながら、そんなことを私がぼんやり考えていると、急に恭ちゃんが立ち止ったから、危うくぶつかりそうになった。
「………なあ、もしかして……近々結婚の予定があって辞めたとか……?」
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