年上女ですが…それが何か???
そのまま3人で緩やかな石畳を下りて行く。
「先輩、腕だるくないですか?」
相変わらず沙穂は、彼氏にべったりだ。
こんな姿を沙穂の父親に見せたら、さぞかし目をひんむいて怒るんだろうな。
娘を溺愛してるというイトコの旦那を思い出して私が後ろでクスクス笑っていると、
「……ん?月島何してんだ?こんなとこで……」
急にスバル君が立ち止まった。
どうやら、知り合いが生け垣に座っていたらしい。
「……人待ち、かな…」
「ふ〜ん、どうせ女だろ?」
「想像に任せるよ……」
「いいねぇ、黙っててもモテる奴は。
ま、俺には沙穂が居るからいいけど」
「じゃあほっとけ……」
「うわっ… 友達がいのない奴……」
会話の内容からして、相手はスバル君の友達で、相当遊んでる子みたいだ。
………って、呑気に推理してる場合じゃなかった。
早く家に帰んないと、“愛するが故”を見逃しちゃうじゃんっ!
毎日欠かさず見てる昼ドラのことを急に思い出して、
「台車ありがと。パン取ってくるから待ってて」
まだ何か友達と喋ってるスバル君から台車を受け取るなり、すぐそこの駐車場へ向かおうとしたんだけど。
………えっ…
ちらりと見えたその話し相手に、私の足がぴたりと止まった。
……はっ!?
……えっ……!?
な、なんで……コータ君がここに居るのよーー!?!
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