年上女ですが…それが何か???
しかもなんで制服っ!?
スバル君と同じグレーのブレザーに身を包んで座るコータ君を、確認するように上から下まで遠慮なく何度も眺める。
やっ……待って……
コータ君は……湧高……生???
信じられない光景に、頭の中が沸騰したように大混乱になった私の背中を押したのは、
「アキ姉ってば月島先輩にまで色目使っちゃって!
早くしないと昼休みが終わっちゃうじゃんっ!!」
身勝手自己中の沙穂だった。
「……へっ…!? ああ、うん」
おかげで我には返れた。
でも、知ってしまった事実に驚き過ぎて、上手く体が反応してくれない。
「……アキ姉?」
「わ、わかってる……」
頭の中ではわかってるのよ、ここは大人の余裕を見せるべきだって。
だけどっ……!!!
俯いて台車を見つめる私に、再び沙穂が呼び掛けて、やっとなんとか足を踏み出したんだけど。
多分、私、凄い顔してる……
後ろでは、「先輩すみません、あそこのパン屋さん親戚なんです」と、沙穂がコータ君に謝っている声がした。
その反応が気になってそっと後ろを振り返った私が見たものは………無言でこっちをじーっと見ているコータ君の熱の篭った視線で。
ドキッ−−
自分の体の中心が熱くなるのを感じながら、私は半ば転がるように残りの石畳を駆け下りた。
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