年上女ですが…それが何か???





しかもなんで制服っ!?




スバル君と同じグレーのブレザーに身を包んで座るコータ君を、確認するように上から下まで遠慮なく何度も眺める。





やっ……待って……


コータ君は……湧高……生???






信じられない光景に、頭の中が沸騰したように大混乱になった私の背中を押したのは、






「アキ姉ってば月島先輩にまで色目使っちゃって!
早くしないと昼休みが終わっちゃうじゃんっ!!」






身勝手自己中の沙穂だった。





「……へっ…!? ああ、うん」






おかげで我には返れた。






でも、知ってしまった事実に驚き過ぎて、上手く体が反応してくれない。






「……アキ姉?」



「わ、わかってる……」






頭の中ではわかってるのよ、ここは大人の余裕を見せるべきだって。





だけどっ……!!!





俯いて台車を見つめる私に、再び沙穂が呼び掛けて、やっとなんとか足を踏み出したんだけど。






多分、私、凄い顔してる……






後ろでは、「先輩すみません、あそこのパン屋さん親戚なんです」と、沙穂がコータ君に謝っている声がした。






その反応が気になってそっと後ろを振り返った私が見たものは………無言でこっちをじーっと見ているコータ君の熱の篭った視線で。






ドキッ−−






自分の体の中心が熱くなるのを感じながら、私は半ば転がるように残りの石畳を駆け下りた。







`
< 48 / 105 >

この作品をシェア

pagetop