年上女ですが…それが何か???
………って、いやいやいや。
そこ、私がショックを受けるポイントじゃないしっ!
私がかぶりを振ってその邪念を追い払ってると、いつの間にかこっちを向いたコータ君が、キョトンと私を見ていた。
「……食べたい物、なかった?」
「へっ!?そんなことないよ。
あ、これこれ、これ食べる。温めてくれる?」
慌てて一番上にあった“そぼろ弁当”を突き出す私を凝視したまま、なぜかコータ君はぽっと頬を染めた。
えっ、なに?
まさか食べたい物がかぶったとか……?
「私、他のでも…」
「温めてって…
一瞬、明さんが俺に温めて欲しいって言ってるのかと思った……」
………はい?
「いや、ごめん。なんでもない……」
そう言って再び背中を向けてレンジを操作し始めたコータ君に、ようやく言われた意味を理解した私は、
そっ、そんなこと、アンタに言うわけないじゃない!
ぼぼぼっと音が鳴ったんじゃないかってぐらい、自分の顔が真っ赤に染まったのがわかった。
今さらそんな可愛い反応しないでよ。
こっちまでおかしな感覚になっちゃったじゃないのよ……
私は赤くなった顔を見られないよう移動したリビングのソファーから、その背中を睨み付ける。
だけど心とは裏腹に、胸のドキドキは増すばかりだった。
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