年上女ですが…それが何か???






「あの、先に外覗いてくれない?」






普段は澄ました顔をしてる春日さんが照れながら私の背中をツンツン突く。







「あー…、はいはい、いいですよ」






それが可笑しくて可愛くて、クスクス笑いつつ言われた通りにドアの向こうを伺ったけれど。






「……う〜ん、残念ながら誰も居ませんね」






そこには人っ子一人見当たらなかった。







「やだ、残念なんかじゃないわよう。
今日も居たら注意しようと思ってたのよ?」






口ではそう言いながらも、がっくりと肩を落とした春日さんは、ちまちまと商品の整理を始めた。






ぷっ…、無理しちゃって。






せっかくグロスを塗った唇を噛み締めながらふて腐れたように手を動かす姿は、笑えるんだけど、なぜか心から笑えない。






そのうち、この人も年下男子に翻弄されてんだな、なんてヘンな連帯感が自分の中で沸き起こるのを感じた。







「じゃあ私、帰りますね?」



「ご苦労様でした」







明らかにトーンダウンした声。







いつか想いが通じ合うといいですね?






その落ち込んだ背中にエールを送りながら、







さて、私は沙穂に見つからないうちに退散しないと。






カタカタと台車を押して、足早に業者用駐車場を目指す。







まさかそこに、またもやクソガキが待ち受けてるとも知らずに−−−








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