年上女ですが…それが何か???





言われて咄嗟に頭に浮かんだのは、昨夜の沙穂との会話。







“月島先輩って実は甘甘キャラだったんだぁ”



“早速今から、皆に報告しちゃおうっと”







………どう考えてもこのせいだよね……?





っていうか、本人の耳に入るの早過ぎじゃない……?





あまりの後ろめたさに、額に冷や汗が浮かぶ。






そんな私のオデコに、ふっと小さなため息が落ちてきたと思ったら、






「やっぱりこの話の出所は明さんだったんだ?」






咎められながらもなぜか優しく抱きしめられてしまった私の体。






「なにす…」



「こんなに俺を虜にさせてどうするつもり?
明さん、責任取ってくれる?」



「……っ!?!」







そして極上にいい声で、甘さ度120%のセリフが固まる私の耳に直に流し込まれた。







せ、責任ってどうすれば……





「クスッ…、な〜んてね」



「……は?」



「こういうことでしょ?甘いセリフって」



「……、なっ!?」






冗談かよっ!!!






一瞬でも真に受けてしまった自分が悔しくて。



こんな時にからかったクソガキが心底恨めしくて。






「放しなさいよっ…」






目の前の胸を突っぱねようともがいたんだけど。






「ダメ〜。明さんのせいで俺が恥ずかしい思いをした分、お仕置き」





……!?!





逆にさらに強く抱きしめられてしまった。







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