年上女ですが…それが何か???
「……えっ…」
「俺…、明さんに嫌われたら、もう日本に居る意味がなくなる」
日本に居る意味……?
なにを言ってるんだろう?
わけがわからなくてそっとその横顔を伺うと、いつもは余裕って表情をしているその顔からはそんな様子は微塵も感じられず、切れ長の瞳が不安そうに揺れている。
それを見た途端、またもや抱き着きたい衝動に駆られてしまった。
だってめちゃくちゃ可愛いんだもんっ!
「コータ…君?」
名前を呼ぶだけで胸がキュンとなる私は、もう引き返せないほどこの人を好きになってるんだって実感した。
「俺、最初明さんに会った時、“パン屋のお姉さんだ”って思ったって言ったよね?」
「あ……うん…」
「それ、嘘なんだ。
確かにパンの配達をしてるのも知ってたけど、ホントは、“モデルの明だ”って思った」
「え…あ…そうなの?よく知ってたね」
そう言われて、別段驚きはしなかった。
一応、メディア側の人間だったわけだし、ここ2年は目立った仕事はしてなかったけど、今でもたまに街中で声を掛けてくる人もしるし。
ただ、日本に来てまだ間もないコータ君がよく知ってたな、とは思ったけども。
感心してコータ君を眺めていると、気まずそうに顔を上げたコータ君は、思いもよらないことを言って今度こそ私を驚愕させた。
「だって俺、明さんに会いたくて日本に来たんだもん」
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