年上女ですが…それが何か???
「ちょっ…何言って…」
「ごめん、しばらくこうしてて……?」
抱き着いたら最後、あまりの愛しさに離したくなくなってしまった。
言われた意味はイマイチわかってないけど、とにかく引っ付いていたい。
さらに抱き着く腕に力を込めると、コータ君は諦めたように私に身を預けてくれた。
「……俺のこと…」
「…ん?」
「俺のこと、気持ち悪くない……?」
腕の中からは、こちらの様子を伺うような遠慮がちな声がする。
それに応える代わりにさらさらの髪を梳いてやると、私の背中に怖ず怖ずと回ってきた腕にギュウっと抱き返された。
「俺ね、アメリカで生まれて、ずっとあっちで暮らしてたんだ」
「うん……」
「日本に住もうなんてこれっぽっちも考えてなかった」
「うん……」
「あの日、明さんの写真を見るまでは」
そこまで言うと、背中に回していた腕をゆっくり移動させて、コータ君は綺麗な瞳で私を覗き込んできた。
頬に添えられた指がわずかに震えているのに気づいて、また私の胸の奥が疼く。
「コータ……」
それを手の平で優しく包んであげると、
「明……」
触れるだけのキスが降ってきて、私はそっと目を閉じてそれを受け止めた。
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