年上女ですが…それが何か???





おでことおでこをくっつけたまま、コータ君は時折恥ずかしそうに目を細めながら話し始めた。






「俺の母親、結婚せずに俺を産んだんだ。いわゆるシングルマザーってやつ。
相手の男から逃げるようにアメリカでね」



「…そう…なの…」



「だから俺、国籍はなぜか日本国籍取得してるけど、日本には数えるほどしか来たことないんだ」



「じゃあ、その時に私の写真を……?」







そう考えれば納得がいく。





日本に来た時に、たまたま雑誌かなんかで私を見掛けたんだと。







だけど返ってきた答えは、予想を遥かに越えたもので、私を混乱させるのには十分なものだった。







「違うよ。ショーモデル用の資料で見たんだよ、明さんを」







………はっ??






「なんで?なんでそんなの見れんの?
あんなの、関係者じゃなきゃ見れないのに……」






しかも私が出たショーなんて、数が知れてるのに。







「あー…、うん。それはそうなんだけど……」






何度も瞬きを繰り返す私を見て、コータ君の視線が気まずそうに宙をさまよう。






なんなの、なんなのよ?







私は積もり積もった疑問を確かめるべく、ふいと反らされた顔を両手で押さえ込んだ。






「コータ君って……一体何者?」








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