~your Love story~
「奏祐~ 」
後ろから女の子が走って来て、彼の腕を組んだ。
彼女…なのかな。
ちょっと、寂しい気持ちになってる自分がいる。
変だよね。
だんだん距離は縮まって、奏祐くんは私の横を通り過ぎて行った。
言葉すら、交わしてくれなかった。
「久しぶり」くらい、言えたら良かったのにな。
ほんとに他人になっちゃったみたいで、少し切なかった。
ギュッと浅香くんの腕を握ると、私たちは再び足を踏み出した。
「え~、何それ! 」
後ろで女の子の叫び声が聞こえた。
思わず耳をすませてしまう。
「バイバイ 」
ピタリと足が止まる。
どうしてか、私はその声のする方へ振り返った。
「バイバイ… 」
目が触れ合って、もう1度口元が動いた。
それは女の子にではなく、私に向けた言葉に聞こえた。
彼は以前のようにニコッとすると、バイクにまたがり街の中へと入っていった。
「バイバイ…」
私はその姿が見えなくなるまで見つめていた。
彼の姿を目に焼き付けるように。
再び前を向くと、浅香くんの肩に頭を寄せ、私たちは歩き出した。
それ以来、彼を見かける事は2度となかった。
《END》