ティアラ2
訳がわからなくて、ただうなずくだけだったあたしは、電話を切ったあと、動くジュエリーの待ち受け画像をじっと眺めていた。

「……」

なぜか、体調が悪くて帰ったことになっていた。

「そういうことか」

勝手にあたしを病人にした篤紀。

シフトを組み直した笹野京香の、ほころんだ笑顔が目に浮かぶ。

「あ、そ」

そこまでして、あたしを店に来させたくないわけね。

ムカついて携帯電話を投げた。

「……勝手にすれば」

そんなことしなくても、ちゃんと辞めてあげたのに。なによ、バカ眼鏡!

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