ティアラ2
イライラして、いますぐにでもこの気持ちを誰かに聞いてほしくて……また携帯を手にとった。

当たり前のように引き出したのは、直子の番号。けれど、発信ボタンを押すことができない。

「……」

ずっと愚痴を聞かせてる。

八つ当たりまでしてしまったのに「また聞いて」なんて……言い出せないや。

おとなしく終話ボタンを押して、番号を画面から消した。

朝っぱらからため息ばかり出てしまう。……ほんと憂うつ。

ふと目についたのは、ハンガーにかけたドットのワンピース。

「クリーニング屋、今日開いてたっけ……」

外へ出よう。帰りに散歩でもしてみようかな。

気分転換になるかもしれないし。
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