ティアラ2
いまのあたしを見て、周りはどう思うのかな。可哀想? それとも自業自得?
あたし自身は、その両方の目で自分を見ている。でも、どちらかといえば後者のほうが強い。

あの女にハメられた自分を可哀想にも思うけれど、篤紀に言った言葉を振り返ると、こうなって当然なのかもしれないと思い始めた。

甘えてたのかな。ううん、少し調子に乗っていたのかもしれない。……何を言っても別れないと思い込んでいたから。


「別れたんだって? ざまぁ!」
携帯電話を耳に当てた途端、ゲラゲラ笑われた。
やっぱり、後者の目で見るひとは多いようで。

「……」
「あ、美和っ……なんで切るのよ!?」
イライラして通話を終わらせたら、静かに様子を伺っていた直子が、飲んでいたアイスティーをブッと吹いた。

月曜の午後、心配してくれている彼女の誘いにのり、久しぶりに大学のカフェに訪れたあたし。
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