ティアラ2
「あー、アッキーと京香か?」
沢木くんは腰をポンポン叩きながら、考えることなく、彼らの名前を口にした。
あたしはゴクリとつばを飲む。

「うん。この間、ふたりで出かけたらしいじゃん?」
「あぁ、店の買い出しでだろ?」
「うん」

先に出していた木製のテーブルの上に、持ち出したばかりの棚を乗せる竹下くんたち。彼らはあたしが近くにいることに、まったく気づかない。

「出来てんじゃね? 仲いいじゃん、とくにあの子が辞めてから」

辞めた「あの子」というのは、きっとあたしのことだろう。

「だよなぁ。あーあ、なんでアッキーばっか……」

悔しそうにする竹下くん。沢木くんは「お前、ちょっとマジだったもんな」と笑いながら、彼を励ましていた。
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