ティアラ2
「いーや!」
絶対に撮らせるもんか。
「……美和ちゃん」
アカネさんと顔を見合わせる陽子さんが、お願いだからというかのような口ぶりで名前を呼んできた。けれど、あたしはカメラに背を向けたまま断固拒否。

そもそも、この写真集のテーマみたいなものを知らないのはあたしだけ、ってことにも腹が立ってるの。
それをちゃんと聞かされていれば、このスタイルにも抵抗なんて感じなかったのかもしれないけれど。透吾は「役作りをしないために」とか言って、モデルのあたしには何も話してくれなかった。

「せめてファンデーションくらいは塗ってよ」
「んなもの必要ない」
「だったら……」
「座れ!」

透吾はあたしの声を遮って、大声をあげた。あたしはグッと拳を作り、苛立つ気持ちを抑えながら、渋々、腰をおろす。
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