ティアラ2
「そんなしかめっ面……ま、いっか。そのまま、ここを睨んでみ」
一瞬、撮るのをやめかけたのに、彼はあたしの目をレンズに向けさせようとする。

「……ほんとにやだ」
「いいから」

何を言っても通じない。

「…………」
仕方なく、言われるままレンズを見た。

「そう、もっと睨んで。ムカついてんだろ? スッピンだと自信ないもんな」
「……はぁ?」
「怖ぇんだろ。ほんとは不細工だってバレるのが」
「あんたねぇ……」

彼はシャッターを押さずに、同じ体勢で、あたしにケンカを売ってくる。
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