ティアラ2
「大好きだよ、篤紀」

もう二度と離れたくない、って強く思った。

「何泣いてんだよ」
「だって……」

涙を拭ってくれるこの指も、優しく重ねてくれるこの唇も、ギュッと抱きしめてくれるこの腕も……ぜんぶ、あたしだけのもの。

「俺ら、いったん別れて良かったのかもな」

「え?」

篤紀はあたしの髪を触りながら、おかしなことをつぶやいた。
ムッとした顔をすると、彼は穏やかに微笑んで……こう囁いてきたの。

「俺にとってお前がどれだけ大事な存在なのか……改めて気づけた」

……嬉しい言葉だった。ジーンと胸に響いてすごく幸せだけど、でも……やっぱり別れたほうがよかっただなんて思いたくない。

だから素直に喜ばず、あたしは頬を膨らませていた。後に続く「大好きだ」って言葉を聞くまで、ずっと。
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