彼女ノ写真
写真を撮ると言う事だって、時を閉じ込めたい訳じゃない。その瞬間を残しておきたい訳じゃない。




自分のすべてを、被写体に投げつけて、帰ってきた反応を受けているだけだ。




そこにあるのは、何物でもない。単純なる客観性だ。




僕であり僕でなく、被写体であり被写体でない。




誰が見ても、それがそれである様に、魅せられて欲しいから───感じて欲しいから───知って欲しいから───そして、拾って欲しいから───僕は、シャッターを切っているだけだ。




時を閉じ込めようなんで、たかが人間、おこがましいにも程があるだろ?




その時、優しい風が頭を撫でた。目の前には、髪飾りにも見えるシャトルの姿があった。





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