海の乙女

ライトは何もしゃべらないけど、それが逆に居心地がよかった。

あたしはこの人ならわかってくれるかも…と思い始めた。

「……あの…」

「ん?」

「あたしの昔話聞いてくれる…?あんまり楽しい話じゃないけど…」

「ああ…」

あたしは過去にあったことについて話し始めた。


――あたしが住んでいたところはとても穏やかなところで、みんなとても幸せに暮らしていた。

でもこの日はさっきまで晴れていた青空がウソのように暗く、海は荒れていた。

「ねぇ!どこいくの!待ってよ〜!!」

あたしは必死に海面を目指していると後ろから親友のサラが追いかけてきた。

「サラ!!」

「もうすぐ嵐がくるのよ!いま上へいったら危ないわ!」

「でもミウナが大切にしてた櫛、岩場に忘れてきちゃったみたいなの!」

「ミウナって隣の家のあのちっちゃい子?」

「そう!亡くなったおばあさんが昔プレゼントでくれたみたいで。今日髪をといた後忘れちゃったらしくて…。取りに行くーってすごく泣いてたけど、あんな小さい子行かせるわけにもいかないから代わりにあたしが…。」

「まったく…お人好しなんだから」

「この嵐だったら飛ばされちゃう!お願い!すぐ戻ってくるから!」

「わかったわ…。二人で早く取りにいきましょ」

「サラ…ありがとー!」
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