海の乙女
水面から顔を出すと突風が吹き、波も荒れていた。
「わっ…!やっぱり上はすごいわね。早くとって帰りましょ」
「うん!」
岩場にたどり着き、あたしは櫛を探した。
「あれぇ…ここらへんにあるって言ってたんだけどなぁ…」
「みつかった?」
「うーん…あ、あった!」
風のせいで岩と岩の間に挟まっていた。
逆にこのおかげで飛ばされずにすんだのかも…。
「よかったわね。さあ早く戻りましょ」
「うん!」
あたしは櫛をしっかりと持ち、海に潜ろうとした瞬間――
急に海の上を飛んでいたカモメが鳴きはじめた。
「な、なに!?」
空を一定方向にたくさんの鳥たちが飛んでいく。
上空に気をとられ、あたし達は迫り来る恐怖に気がつかなかった。
ゴォォ…と言う音が聞こえ後ろを振り向くと竜巻がすぐそこまで迫っていたのだ。
「!!」
気がついたときにはすでに時遅く、あたしとサラは竜巻に飲み込まれてしまった。