ライラックの咲く頃
「おっ今日のリコーダーのテストのことじゃね?」
「ピーーだったもんな。かなりヤバイよなぁ」
「あれマジサイコーだし」

男子の口が次々に開く。

おい、どーしてくれんだ相川。
あんたがでけー声で言うから。

「説教がんばれよ♪」
バカ男子が私を満面の笑みで見送る。

黙れ。
お前らは雑巾丸めてボールにしてほうきをバットの変わりにしてバカみたいに野球ごっこでもやってろっつの。

私は教室のドアをビシャッと閉めた。

ふざけんなよ。
たかがリコーダーテストぐらいで呼ぶなっつの。
私の貴重な昼休みをどーしてくれんだ。




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