本当に愛おしい君の唇
 とホテルマンが言ってきた。


「お二人様で?」


「ああ」


「ただ今、空いているお部屋をお調べいたしますので、少々お待ちくださいませ」


 治登が頷くと、白髪頭のホテルマンが手元に立ち上げてあるパソコンのキーを叩き始めた。


 カツカツカツという音がして、エンターキーをカチンと押すと、部屋の一覧が出てくる。


 マウスでスクロールして見ながら、


「七〇三号室と一〇〇五号室が空いておりますが」


 と言った。


「料金は同じ?」


「一〇〇五号室の方が若干お高いのですが」


「でも、眺めとかはいいんだろ?」
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