LASTLOVE
政樹が駆け寄ってくる。

あたしは恐る恐る正面を向いた…。

(キスマークありませんように…!)

顔から上半身へと視線を滑らせる。
右から左へとさっと視線を流した。

(っ…!!)

息を飲む…。

(キスマークあるじゃん…。)

ショックで絶句した。

(嘘つき…。)

「なっ!!来いよ♪」

「いい。行かない。」

涙が込み上げてくるのを必死に耐えた。

「機嫌悪いな?」


(誰のせいよ…最低!!)

「あたし薪拾ってくるから!」

あたしは一目散に駆け出すと走りながら森の中で号泣した。
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