LASTLOVE
「相変わらず夢は怖がりだな。」

からかってくる春に懐かしさを覚えた。

「そんなことないもん。」
ついいつものように返事してしまう。

「夢はなんか思い出した?」

「政樹と車に乗ってどっかに行くつもりだったってことくらいかな…?春は?」
「俺は奈緒と、銀山飛行場に向かってた…。そっから記憶がない。」

(銀山飛行場?)

あたしの脳裏に鮮烈にその光景がフラッシュバックした。

(あたしもだ…)

「あたしも銀山飛行場に向かってた…。」

「まじで?」

「うん…。」

「…夢…。」

春がいきなり手を繋いで来た。
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