LASTLOVE
「しないよ。本当に。俺は夢だけしか見てないから。」

「ありがとう…」

あたし達は何度も甘いキスをした。
抱きしめ合って…このまま一つになって離れられなくなればいいのにって思う。
唇を離した時はお互い呼吸が乱れるくらいになっていた。


日が沈み始め、水平線が朱く染まる。

一日が恐ろしいくらいあっという間に終わってしまう。今日は《愛の伝説》について話しはほとんど進んでいない。

皆それどころじゃなかったが、夜はもう一度会議を決行したかった。

政樹とあたしは皆のいる浜辺へと、荷物を持って向かった。

焚火は、昨日のキャンプファイアーの楽しさから、無人島の物悲しさを照らす光りに変わりつつあった…。
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