10日間の奇跡
俺と結香はあまりの綺麗さに言葉を失いただただ映し出される星たちを見つめた。




プラネタリウムが終わると俺と結香は我に帰ったかのようにお互いの顔を見つめあった。

先に声を出したのは結香だった。

「すごかったね……。」

「うん。なんか宇宙の中に居るみたいで不思議な感じがしたよ…。」

「私…星になりたいな…。」
俺は目を丸くして結香を見た。結香はまだ星の見えない茜色の空を見つめている。

その時の結香の横顔はいつにも増して綺麗だった……。

そう…。まるで『星』のように──…。

「結香なら絶対なれるよ。晴れの日は1番輝いていて、曇りでも世界を見つめる。そして雨の日も空を照らすような星に……。」

結香は照れくさそうに笑った。

俺は空を見つめた。

夜に染まりかけた空には1番星が輝いている。
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