飛べない鳥
俺はすぐに弁解をしようとしたが、美咲の顔はすごく怒ったような顔をしていた。


何を言っても無駄だろう、と思い、俺は正直に言った。



『…クラスの子』



『それだけ?遥斗その子の事好きなんでしょ?
遥斗の顔見てたら分かるよ…』



…お前に関係ねぇだろ?


好きだよ、好きでわりぃかよ。



俺は美咲にわざと聞こえるくらい大きなため息を吐き、髪の毛を掻き上げた。


髪の毛を掻き上げる行為は、腹が立つ時によくする癖だ。



『…何が言いたいわけ?
お前は俺の何でもねぇじゃん』



『そうだけど…気になったんだもん…』



美咲の涙は次々と流れる。

美咲は流れた涙をタオルで拭いていく。



『…気にしなくていいから』



俺は近くにあったドライヤーのコンセントを挿し、
美咲に渡した。
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