飛べない鳥
空は、まるで泣いているかのように降り続けた。


俺は雨に打たれ、
その場所にしゃがんだ。



ダメージを食らった俺の心が、もう止まってしまった。



俺は立っていることすら出来なかったんだ。



『遥斗…大丈夫かよ?』



響が俺の顔を覗き、肩を二回ぽんっと叩いた。



『…なんで…』



びしょびしょに濡れている制服や髪の毛。



もうそんなもの関係なかった。



唯を取り戻せないなら…



俺はこの世界にいる意味があるのだろうか?



『遥斗、お前…頑張ったと思うぞ?そりゃ…キツイ結果になったかもしれねぇけど…』



響の慰めの言葉が、胸に刺さる。



改めて、二人は付き合っていると聞かされているみたいだ。



『…そうだよな』



苦しんでも、


悲しんでも、



この結果を変えることは出来ない。



俺は、身を引き、
葵と唯を祝福するよ。
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