飛べない鳥
紙切れにはピンク色の数字と文字が並んでいた。



《090…221 暇があったら電話ください》



この文字を見たら、胸がきゅうっと締め付けられた。

またさらに愛しいって思うんだ。


唯に夢中過ぎて、時が経つのが早く感じる。


授業中、先生の話など一切入って来なかった。

ポケットの中に眠っている紙切れが気になって仕方がない。


早く夜になればいいのに。
そしたら唯に電話かけられる。


俺は時計と睨めっこをしていた。


一秒ごとに進む針を、俺はどれだけ見ていただろう。


クルクルとシャーペンを器用に回し、暇を潰していた。



こうして俺は全ての授業が終わるのを待っていた。



そして待ちに待った帰る時間。


俺と響は会話をしながら階段を下りているときだった。


上から俺の名前を誰かが呼んだ。




『遥斗!』
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