飛べない鳥
空は満天の星空。


その中でも一番輝いている星を見て俺は微笑んだ。



…頑張るよ…
…頑張るからね…



強く、後悔しないように生きるよ。


君と約束したから─…



俺は無我夢中になって暗くなった街を走った。


今回はちゃんとした目的がある。


そして伝えたい想いもある。



この張り裂けそうな気持ちを今、あなたに─…



俺はもう飛べない鳥なんかじゃない。



昼間より少しは涼しい夏の夜。



今君は泣いているかな?


ごめんね…

待たせちゃったね…



必ず言うよ…愛していると…



俺は唯の家へと走る。


道は大体分かる。


もう足が覚えていた。



俺は空を見上げて願ったんだ。




《唯といつまでも一緒にいられますように》




流れ星…早く流れてくれないかな?



流れ星は誰かの願いが叶う頃に流れる…



そうだろ?
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