飛べない鳥
俺は体を伏せ、
目を瞑り何も考えないようにした。


やはり俺は住む場所を間違えたようだ。


この世界は俺に似合っていない。


俺はもっと違う場所がお似合いだ。



『ねぇ、ねぇ!』



誰かが俺の肩をつついた。

この声からすると女だ。


俺は嫌々起き上がる。


そこには俺の周りを囲み、笑顔で俺を見ている複数の女がいた。



『は…?』


なにがなんなのか分からない。


状況が把握出来なかった。
いつの間にか休み時間になっていた。



『やっぱかっこいいね!
綺麗~!』


その中の一人の女が、
目をキラキラ輝かせ俺を見ていた。



『彼女とかいるの~??』


一方的な事情聴取開始。


俺は黙ったまま口を開けようとしない。


響はどこにいるんだよ。


俺のイライラが積もりだす。
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