飛べない鳥
『ん…響?』


俺は目を擦りながら、
体を起こした。


聞いていたCDの曲が全部終了したらしく、コンポはストップしていた。


『…何でいんの?』



『はい?お前が何か用で俺に電話したんじゃねぇの?その後何回も電話したけどお前出なかったし!』



…あぁ…そうだった。



『わりぃ…』


俺は立ち上がり、コンポの電源を消し、隣の部屋へと戻った。



冷蔵庫から水を取りだし、一口だけ飲み、また戻す。

『遥斗の寝顔可愛かったぞ?襲うところだった』



響が笑いながら俺に言ってくる。


寝起きはいつもテンションが低い俺にとってはすごく迷惑だ。


って俺が響に電話したから、こんな事になったんだ。


俺は自分を責める。



『襲ったら殺す』


時計の針は、もう12時を過ぎていた。
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