飛べない鳥
『なぁ…響?お前には分かるよな…』


全ての洗濯物を片付け、再び部屋に戻った。



響はまだ残念な顔をしている。



『何?』



『菊地唯と話すと…胸が…痛くなって苦しくなるんだ…』



響はさっきまでの顔とは裏腹な、満面な笑顔となった。



『遥斗!それって…』



『それって?』



響の目がキラキラと輝いていた。



『恋じゃん!!』



部屋中に響き渡る、
響の興奮した声。


響の発言を聞いた俺は、口をポカーンと開けてしまった。



『は?恋?』



『そうだって!お前菊地唯に恋したんだって!』



頭がグルグルと回る。


頭の中が《恋》という字で洗脳されていく。



『恋?ふざけんな。俺は女に興味ねぇのに恋なんてするか』



『でも気になってるんだろ?』



『……別に』



『素直じゃねぇなぁ…』
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