飛べない鳥
響の言っている意味がさっぱり分からない。


つか、手ぇ離せよ。



俺達の横を通っていく生徒達が、変な目をして俺達を見ていく。



俺は胸ぐらをつかんでいた響の手を離した。



『何だよ?』




響はまだ真剣な目で俺を見ていた。




『お前っ…桐谷先輩とどういう関係なんだよ!!』




……??……




何を言うんだ、コイツは。

『は?!』



『さっき教室で仲良く話してたじゃねぇか!』



『あ~…』




そういえば、響のやつ、さっき教室で美咲と話している時に、訳が分からないような顔をしていたな…



美咲の事が好きなのか?


でも響は佐藤先生が好きなんだし…



俺の頭が久しぶりに活発に働いている。



『なんなんだよ!!』




『ただ、友達になってくれって言われたからなっただけだよ』



俺は興奮した響を置いて、スタスタと歩き出した。
< 96 / 354 >

この作品をシェア

pagetop