星の唄
奏空の問い掛けを結樹、結衣、鈴音、奏は黙って聴いていた。
奏空は真っ直ぐ満月を見ている。
『だからね、本当の¨碧い星¨を見せてあげたかったの。』
満月はまたにっこりと笑って答えた。
「それはさっき……。」
¨それはさっき聴いた¨と奏空は言いかけてやめた。
それが¨答え¨なのだ、と解ったのだ。
けれど、それでは納得がいかない。
今見た¨碧い星¨を見せたかったのならプロジェクトは必要ない。
奏空が作った¨星の部屋¨のようなプログラムで十分だった。
『…ふふ。答えになってないわよね?』
奏空が考え込んでいると満月の笑い声がした。
『もう話しても解るのかな?奏空と奏は何歳になったのかしら…。聴いてくれる?』
満月は優しく笑顔で問い掛けた。
そうだった…と奏空は思った。
満月がこのプログラムを組んでいた時、奏空も奏もまだ幼く、きっと何を聴いても難しいことは理解できなかっただろう。
満月はどんな気持ちで言葉を残したのだろうか?
「話してくれる?」
『もちろんよ。』
奏空の笑顔に満月も笑顔で返し、満月は昔話を始めた。