星の唄
『昔はね、私もプロジェクトには反対していたの。』
「「「「「え?!」」」」」」
話始めて早々、突然の言葉にそれまで黙って聴いていたはずの結衣達も思わず声をあげる。
プログラムを組んだ張本人が、反対していたなんて誰も想像していなかった。
特に、このプロジェクトはプログラムがなければ成立しない。
全員、満月もプロジェクトに賛成していたのだと思っていた。
『驚いたでしょ?でもね、本当なのよ。私、プログラムなんて作らないって大暴れしたの。』
「「「「「……。」」」」」
大暴れと聴き、全員が言葉を無くす。
大人しそうな外見を持つ満月が暴れたなんて想像もできない。
満月は結衣達の驚きなんて気にせず話を続けていく。
『…確かに¨碧い星¨を守りたかったし、この景色も見せてあげたかったの。でもね、その為に可愛い子供達を実験台にするなんて…賛成できるはずがなかった。』
このプロジェクトで被験者にされるのは子供だった。
被験者は親から引き離され、記憶を操作され、夢の中に送り込まれる。
そして時が経てば記憶を掘り起こされ、現実に戻る。
それは、子供達の気持ちは一切無視したプログラムだった。