星の唄
満月はまた笑顔を見せる。
『¨黒い星プロジェクト計画¨は止められたように見えた。でもね…一部しか生き残れないプロジェクトなんて賛成出来ない人もたくさんいたの。…その一人が晴…奏空と奏のお父さん。』
「「え…?」」
『私も晴の考えには賛成だったから徹夜でプログラムを組んだ。そして…晴は¨黒い星プロジェクト計画¨を先に実行したの。…かなり強引だったけどね。』
満月は少し難しい顔をした。
「強引に…?」
奏空は満月の表情と言葉に疑問を持つ。
なぜなら、今だってプロジェクトに異義を申し立てればすぐに捕まってしまうのだ。
簡単な話ではない。
普通は強引にプロジェクトを実行することなんて出来ないだろう。
「……人質ですね。」
「「「「え…?」」」」
それまで黙っていた鈴音が急に口を開いた。
「鈴音、どういうことだ?」
結樹は鈴音を真っ直ぐに見る。
「¨ノアの箱舟計画¨の首謀者の中でも権力のある者の子供を、先に¨黒い星プロジェクト計画¨の被験者にしてしまえば、¨ノアの箱舟計画¨は見送りか、中止にするしかないということです。」
「まさか………。」
「本当のことです。…私がその被験者ですから間違いはありません。」
疑う結樹に鈴音はキッパリと言い放った。