星の唄
『もちろんプロジェクトチームにも¨違う星¨への切符は届いていたから、¨碧い星¨を救う研究も止めるように上から指示も出た。世界は¨碧い星¨を棄てる¨ノアの箱舟計画¨を選んだの。』
(………?)
結衣は首を傾げた。
なぜなら、満月が言っていることと現状では食い違いが生じていた。
今の話が真実ならば、現在行われている¨黒い星プロジェクト計画¨は選ばれなかったプロジェクトではないだろうか?
『もしも奏空や奏ならどうするかな?どっちのプロジェクトを選ぶかな?』
突然、満月は笑顔で奏空と奏に答えを求めた。
「どうって…。」
「えっと…。」
奏空も奏もまさか問い掛けられるとは思っていなかったので、答えに戸惑った。
しかも、それは簡単に選べることではないし、選んだところで変えることができるわけでもない。
満月は悪戯っ子のように笑って話を続けた。
『ふふ。悩むでしょう?私も悩んだわ。子供達を実験台にはしたくない。でも、しなければ子供達に未来はない。…私もすぐには選べなかったの。だけど悩む時間なんてなかった。』
なぜなら、その時すでに世界は答えを出していた。
「じゃあどうしたの?」
奏は満月に問い掛けた。