星の唄


《成果もないくせに子ども達を盗り上げるプロジェクト》

…と、世界で言われたプロジェクトは、当然、反対派のテロにも狙われた。
反対派の数は多く、プロジェクトチームを保護するはずの組織も対応できないほどだった。
だから満月も晴も楓も…他にも多くの人が狙われ、命を落としていった。

このプロジェクトはどれだけの命と想いを吸い込んだのだろう。
それを知っているからこそ奏空達は満月の言葉に答えを出せなかった。


プロジェクトは、もちろん今も特に大きな成果をあげているわけではない。

よく見れば、プロジェクトを開始する前より¨碧い星¨について考える人が増えている。
プロジェクトの中で¨本当の碧い星¨を見た被験者達が、各地で¨碧い星¨をもう一度見たいと願い活動し続けている。
それによって、見えなくなってしまった空を取り戻せたところもある。

けれども世界中を納得させられるほどの成果はない。


プロジェクトを続けるべきか、止めるべきか、誰の中にも正しい答えなんてなかった。


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