星の唄
鈴音の笑顔で少しだけ空気がやわらかくなった頃、満月はもう一度だけ、しっかりと理由を話した。
『¨碧い星¨にこれから生まれる命と、今ある命を守ること。そして、本当の¨碧い星¨を取り戻すこと。それがこのプロジェクトを作った本当の目的だったの。』
奏空は満月の言葉に悩みながらも、今度は頷いていた。
奏空も満月と同じ状況であれば、もしかしたら同じことをしてしまっていたかもしれない。
例え…哀しみを生むことが解っていたとしても。
そう思った。
だから、受け止めることが出来た。
結樹も鈴音も何も言わないが、それぞれの答えを見つけていた。
結衣や奏も自分の答えを考えていた。
『だけどね…。今後このプロジェクトを続けるか、続けないかはあなたたちに決めてもらいたいの。』
満月は真っ直ぐに奏空達を見た。
『このプロジェクトを続けても、その場凌ぎかもしれない。¨碧い星¨を元に戻せるかは解らない。だから…後はあなたたちに任せるわ。』
満月は笑顔を作って見せる。
けれど瞳は真剣だった。
実のところ、プロジェクトを始めた頃は、特に¨碧い星¨に対しての成果はなかった。
それどころか、満月が奏空達へのメッセージを作った頃は、《成果もないくせに子ども達を盗り上げるプロジェクト》と世界中で言われていた。