Ghost Lovers
そこまで言って、凜は口を閉ざした。
「これからも」って――
その続きに何を言いたかったんだろう。
けれどそれが知らされることはないまま
凜は私の背を押した。
「さっさと行け…」
「? う、うん。」
ドアノブに手をかけて、
貞子が一瞬で消えた廊下に出る。
ヒュウゥ…と不気味な風の音が聞こえる。
「あぁ、そうだ。」
「ん?」
「口裂け女は俊足って聞いたことがある。」
(やっぱり貞子さんも妖怪なんだ、よね)
ククッと低く笑う背後の悪魔の意地悪な言葉に、
そして貞子のあの裂けた口を再び思い出して
少しだけ背筋がゾクッとしたのは内緒。