花の家
「どうして、お前はそうなんだよッ!

あんな奴、気にしなくたっていいだろうが」


「気にしなくていいことないよ、あんなに苦しそうなのに!」


もう寒い季節なのだ。

こんな風の当たる場所に病人を放置なんてできない!


「そいつの言う通りじゃ……わしのことなど、捨てておけ……」


ぜぇぜぇと喘ぎながら言う甲矢さんにハラハラする。

鈴の手を振り払って、目で訴えた。


「……保健室に連れて行ったって、休ませてなんてもらえねぇよ」


「え? どういうこと?」


「甲矢は、忘れられた家だ。


何処で野垂れ死のうが、誰も相手にしやしない」


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