花の家
鈴は、それはそれは嫌そうに甲矢さんを背負い、保健室へ向かった。
おんぶされている甲矢さんも、それはそれは嫌そうな顔だ。
家だので、そんなに嫌い合うことないと思うけどなあ。
保健室にはいると、わたしはまた、ぽかんとしてしまった。
保健室の先生が、鈴の背中の先輩を見て顔を引きつらせたからだ。
「蜂須賀くん、それは……じゃないの?」
「はい、そうっす。甲矢の家の当代です」
「……その家の者に、ベッドは貸せないわ」
甲矢、という名前を口にしようとしない先生に驚く。
「花のむすめが、それを望んでるんですよ。先生」