愚者
秋の風が肌を撫でる。葵は微かに感じる肌寒さに身震いを感じ乍通学路を歩く。母は結局夜に帰る事は無かった。学校へと向う準備をしている時に、僅かに疲れた表情を浮かべた母が帰って来た。擦れ違いの生活。家族の筈なのに会話が弾まない。葵は「大丈夫?」と声を掛けたが、母は「大丈夫」と短く云い残して葵を学校に送り出した。
―微かにシャンプーの匂いがしたな
葵は不思議な思いを引き摺り学校へと向う。慣れ無い通学路をトボトボと歩き乍、何故母の元気が無いのか色々と考えるが、これと云った答えに行き着く事無く学校に着いてしまった。葵は校門を潜り校庭を吹き抜ける風を肌に感じ乍校舎へと入り、上履きに履き替え二階の教室へと向う為に階段を上っていると、他の生徒も教室へと小走りで急いでいる。葵は他の生徒にぶつからない様に気を付けて歩き、不慣れな手付きで教室のドアを開ける。
「おはよ!」
ドア開けるなり小夜子が快濶に声を掛けて来る。葵は教室に友達が居ると云う事に純粋に嬉しく成る。
「早いんだね」
「僕は時間には正確な方だからね。葵君もそうすれば良い。時間的余裕は、思考のゆとりに繋がるんだ」
朝一番から小夜子節が炸裂する。葵はまだ不慣れ乍も笑顔で「うん」と短く答えて窓際の席へと移動する。見上げる空は澄み渡り気持良い。
―微かにシャンプーの匂いがしたな
葵は不思議な思いを引き摺り学校へと向う。慣れ無い通学路をトボトボと歩き乍、何故母の元気が無いのか色々と考えるが、これと云った答えに行き着く事無く学校に着いてしまった。葵は校門を潜り校庭を吹き抜ける風を肌に感じ乍校舎へと入り、上履きに履き替え二階の教室へと向う為に階段を上っていると、他の生徒も教室へと小走りで急いでいる。葵は他の生徒にぶつからない様に気を付けて歩き、不慣れな手付きで教室のドアを開ける。
「おはよ!」
ドア開けるなり小夜子が快濶に声を掛けて来る。葵は教室に友達が居ると云う事に純粋に嬉しく成る。
「早いんだね」
「僕は時間には正確な方だからね。葵君もそうすれば良い。時間的余裕は、思考のゆとりに繋がるんだ」
朝一番から小夜子節が炸裂する。葵はまだ不慣れ乍も笑顔で「うん」と短く答えて窓際の席へと移動する。見上げる空は澄み渡り気持良い。