愚者
「さぁ、どうでしょう」
私はカウンターの下に置いてある煙草を取り出し一服点ける。如何したものか。適当に相手をするのは難しい。過去を調べ上げたと云う事は、何らかの形で、富田の中にある勘にヒットしたと云う事だろう。
「何れは分かる事か……」
「徒労に終わりますよ」
「ふん」
「時間の削減を手伝う助言。その程度の認識ですがね」
私の言葉を最後に、富田は煙草を灰皿に押し付けて揉み消す。
「俺の眼の届く範囲で下手に踊らない事だ。この煙草見たいに成りたいなら別だがな」
「肝に銘じて置きますよ」
富田は短く言葉を残し一万円を置いて出て行った。カウンターの上に置かれた一万円がドアから吹き付ける風で微かに揺れる。私は煙草を咥えた侭で、一杯としては多過ぎる値段の一万円札をレジに放り込んだ。
*
私はカウンターの下に置いてある煙草を取り出し一服点ける。如何したものか。適当に相手をするのは難しい。過去を調べ上げたと云う事は、何らかの形で、富田の中にある勘にヒットしたと云う事だろう。
「何れは分かる事か……」
「徒労に終わりますよ」
「ふん」
「時間の削減を手伝う助言。その程度の認識ですがね」
私の言葉を最後に、富田は煙草を灰皿に押し付けて揉み消す。
「俺の眼の届く範囲で下手に踊らない事だ。この煙草見たいに成りたいなら別だがな」
「肝に銘じて置きますよ」
富田は短く言葉を残し一万円を置いて出て行った。カウンターの上に置かれた一万円がドアから吹き付ける風で微かに揺れる。私は煙草を咥えた侭で、一杯としては多過ぎる値段の一万円札をレジに放り込んだ。
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