愚者
「横柄な態度は頂けないね」
 小夜子の一言が教室に響き渡り場の空気が凍り付く。
「いい年をした大人が下らない事を云うなんてナンセンスだ。葵君も気にする事は無い」
 教室がざわざわと騒ぎ出す。
「転入して来て、授業の進行を把握するのが手一杯に成るのは分かり切っている事だよ。その思いを汲む事が出来無い何て、自分を無能と云っているのに等しい行為だね」
 小夜子が担任を言葉で責め立てると、担任の身体が震え出す。
「宇都宮!」
「何かな?」
「教師に向って何て口の利き方をするんだ!」
「自分が聖職者だとでも云いたげだね。だけどね、所詮教師なんてサーヴィス業なんだ。幻想を抱いて横柄な態度を取るのなら、品性の無さと場の空気を読む事の出来無い事を恥じるべきだね」
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